同じ住宅地の中でも南向きの土地や建物の方が、北向きのものと比較するとイメージも良く人気も高くなっています。陽当りや明るさという点では間違いのない事実ですが、では北向きの家や土地にはデメリットしかないのでしょうか。確かに同じ構造で寸分違わぬプランで家を建てた場合には、建物の明るさや日照という面では大きな差は出ます。陽当りが悪ければ湿度も高くなりカビも生えやすく、特に冬場は寒さも身に染みるという感覚もあります。

しかし、それは同じプランで建築した場合の話しであって、間取りや設備等を変えた時には必ずしもそうとは言い切れないのです。北向きの家というだけで評価は高くありませんので、低価格で取得できるという事も嬉しい話しです。太陽光が直接注ぎ込みやすければ、家全体が明るくなりやすく暖かい環境で過ごすことができます。しかし、太陽光は良い点だけではなく、床材や壁面の劣化に繋がりやすいという側面もあるのです。

そのような意味からも高額な家具や調度品を置いておくのにも不安もなく、湿度の高さもエアコンの活用や除湿器を設置することで解決できます。むしろ、家中の環境も良好になりますので、大きなメリットとして捉えられるのです。そして、明るさについても開口部を大きくしたり、天窓を作れば充分に補うことが可能になります。窓から眺める景観も南向きではむしろ眩しく、その美しさを楽しむには北向きの家に分があります。

このようにデメリットと思われていたことをひとつずつでも解決していけば、北向きの家も決して悪い物ではなくなります。防犯面でも有益な面もあり工夫次第では南向きの家よりも、快適な生活を送れる建物にすることができるのです。